練習1

多くの子供たちが個人スポーツを好みそれに参加している。僕もどちらかと言えば、チームスポーツよりは個人スポーツの方が性に合っている。おそらく生き方そのものが個人主義的だからだろう。しかし、教育という観点からみると、チームスポーツには重要な意義がある。なぜなら、それには人間社会をロールプレイさせるような機能があるからだ。以下、両スポーツの相違点について考察する。



第一に、チームスポーツには、個人スポーツにはない役割分担があるということだ。サッカーを例にとると、フォワードにはゴールを決める役割、ディフェンダーには敵の攻撃を阻む役割、そしてゴールキーパーには、シュートを止め、失点を防ぐ役割がある。そして役割があるということは同時に他人に対して責任があるということでもある。絶好の機会にシュートを決められなかったフォワードはチームから責められても仕方がない。これは個人スポーツであるボクシングにはないことだ。


第二に、チームスポーツには、個人スポーツにはないシナジー効果が発生する。例えば、ボクシングでは他人に足を引っ張られる恐れがないかわりに、自分の力以上のものをだすことは出来ない。これに対し、サッカーでは他人のミスで足を引っ張られる恐れがある代わりに自分の力以上のものを出せる可能性がある。チームが適切な連携を実現することによって、一+一が三になる可能性があるということだ。これをシナジー効果ということがある。


第三に、チームスポーツは個人スポーツよりも戦略性が強いということだ。例えば、バスケットボールの場合、プレイヤーが個人である水泳よりも作戦が複雑になるだろう。フォーメーションはどうするか、どの位置に誰を置くか、相手のキープレイヤーをどうやってマークするか、など考慮すべき要素が多数存在するため、ゲーム性が強い。水泳などは作戦よりはプレイヤーの力と力のぶつかり合いという側面が強いだろう。


このように、チームスポーツと個人スポーツの間には以上のような3つの違いが出てくる。そして僕は、チームスポーツが子供に与える教育効果は計り知れないと思う。なぜなら、社会に出るということは役割を与えられるということであり、仕事をするということは、シナジーを追求していくということであり、経済活動は戦略性の強いゲームだからである。それはなぜか。人間は社会の中にしか存在しない動物だからである。