見せ金による払込の効力
1 本件のように、借入により払い込んだ上、会社成立後、会社の資金をもって借入金を返済することは見せ金にあたる。
↓
では 見せ金による払込は有効か。明文なく問題となる。
2 確かに、見せ金を構成する個々の払込や借入自体は有効な行為である。
⇔
しかし、これを全体として考察すれば、仮想払込のためのからくりの一環にすぎないといえる。+
また、会社財産を確保し、健全な会社設立を実現するとの要請を重視すべきである。
↓
したがって、見せ金による払込は無効である。
+α
ただし、有効な払込と見せ金による無効な払込の区別は不明確であり、明文もない。
↓
そこで、これらを区別するための判断基準として、
1借り入れから返済までの期間の長短
2資金運用事実
3出資と借り入れの関係
などの事情を考慮するべきである。
3 本件では、
1会社成立後、直ちに払込金を返済に当てている
↓ そのため
2資金運用の事実はない
↓ そもそも
3借入金が払込にあてられている
という事情がある。
↓
したがって、本件払込は見せ金であり、よって無効である。
金ない 会社設立 株式き受け)
(最低資本金撤廃 必要性は低い)
(もっと引き受けたい)
(預け合いでたら無効 違法性強)
(利益相反行為 善意 有効)
(株主間平等害する) (会社は求償権だが不行使) (運用資金ない)