成長政策の基本

1本当の成長政策とは

 成長政策は、「成長分野への集中投資」ではなく、あくまでも「市場の力を最大限発揮できるようにするための環境整備」であるべきだ。成長分野は結果であり、事前に成長分野を見つけることは困難だからである。具体的には、投資税制の優遇や規制緩和が考えられるだろう。

2潜在GDPを伸ばすには

 成長政策は、潜在GDPを長期的に伸ばしていくものである。では潜在GDPをのばすにはどうしたらよいのだろうか。そもそもGDPとはなにか。「ある国の国土において、年内に生産された付加価値の総額」であり「国民の総所得」と考えても大きな違いはない。そして、GDPをつくるのは、資本、労働力、技術の三要素である。では潜在GDPとは何か。潜在GDPとは、国内に存在する「資本」「労働力」「技術」が無理なく、無駄なく使われている状態で達成されるGDP水準である。言い換えれば日本経済の実力のようなものである。したがって、潜在GDPをのばすには、国内に存在する「資本」「労働力」「技術」の水準を伸ばしていく必要がある。