ウェブ社会

2006年あたりから、インターネットが日本における三度目のブームを迎えている。そこでは、インターネットによって世界に大変化が起こることが予期されている。だが、著者はそもそも「今日に至るまで、インターネット関連産業が社会を変えるほどの大きな力を得たことなど、一度としてなかったのではないか。」と感じている。これは、以下の事実からくる実感である。ひとつは、日本のネットバブルはアメリカに比してはるかに小規模なものにすぎなかったこと。もうひとつは、2006以降も、「ビジネスの世界が変わる!」経済誌の煽り文句も空しく、実際には、新しいビジネスの現場で注目に値するプレイヤーを生まれていないことである。